theway

2023年10月~ケニアで青年海外協力隊員として活動しています。

ショックだったこと

先日、任地で買い物をした後家に帰ろうとしていたら、突然知らない人から腕を掴まれた。

腕自体をというよりかは、上着の腕のあたりをぎゅっと掴まれた。

道路を渡ろうとしていたら、反対側から少し変わった雰囲気の人がこちらに向かってくるのが見えた。

一目見ただけではとっさに安全かどうか判断できなくて、その人が近づいてくる間に体がフリーズしてしまった。

その間に、ただふざけて絡んで来ようとしている人なのか、外国人相手にお金を要求してくる人なのか、それ以外の何かなのか一生懸命考えていたけど、気づいたらその人の手が私の腕を掴んでいた。

距離が近くなった瞬間、強いアンモニア臭を感じ、短く発されるうめき声が聞こえて、これは危険かもしれないと思った。

アルコールか、薬か、精神的な疾患によるものか、原因は分からなかったけど、言葉が通じなさそうな雰囲気に一気に恐怖を感じて、隣にいた若いボダドライバーに助けを求めたけど、興味なさそうに下を向かれてしまった。

そうこうしていたら掴んでいた腕が離され、その人はまた別の人に向かって歩いて行った。掴まれていた部分は茶色く汚れていた。

解放されて安心したと共に、なんだか恥ずかしくなってきて、近くを歩いていて一部始終を見ていたはずの行商人に話しかけ、びっくりしたよ~と明るく伝えたけど、心配する様子もなく微笑んで去って行ってしまった。

一人になり、歩きながら今起きた出来事を反芻していたら、感じた恐怖よりも、周りにいた人たちが助けてくれなかったことが何よりショックで。歩くたびにずんずん悲しみが襲ってきた。

住み始めて4か月以上経つこの町で、さっきまでお店の人たちと楽しく会話しながら買い物して、勝手に町の一員になれている気がしたけど、それは本当に一部の人たちであって、他の人からすると私は助ける義理なんてないただの外国人なんだ。

冷静に考えると当たり前のことだけれど、突然疎外感を強く感じてしまって、とてもつらい帰り道だった。周りのケニア人の温かさを知っているからこそ、社会から無視されたようにも感じてしまった。自分でもナイーブすぎるとは思うけど。。

もう少し知り合いのお店に近い場所なら、職場の近くなら誰かに助けてもらえたかも。買い物の時間をずらしていれば起きなかったかも。私は何も悪いことをしてないのに後悔がたくさん浮かんできた。

幸いにも、ちょうど下校時間だったのか小さな子供たちがたくさん挨拶してくれて気が少し紛れた。

帰宅してもしばらく悲しみがおさまらなかったけど、日本にいる友人と電話する予定があったおかげで、話したいだけ話してすっきりできた。

今はもう大丈夫だけど、思い出すとまた少し悲しくなる。

この生活にも慣れて、自分の任地は平和だと感じていたところに、「外国人であることを忘れるな」「気を抜くな」という何かしらのメッセージだったのかなと思う。

今回は身の危険はなかったけど、改めて気をつけようと思った出来事でした。